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紀元前五世紀にさかのぼり、ヘロドトスはこれらのヒツジの奇妙な飼育法について次のように述べている。 「アラビアには二種の羊がおり、これは他のどこにも見られぬもので、まことに驚異に値する。 その内の一種は尾が長く三ペキュス[約一・三メートル]を下らない。 もしそのまま引き摺らせておけば、尾が地面に擦れて擦り傷がつくはずである。 ところが羊飼たちはいずれも良い大工の腕をもっていて、小さい車を作ってこれを尾の端に結びつける。 一頭ずつ羊の尾を、その車一つずつに縛りつけるのである」(ヘロドトス『歴史』[巻三、:三節]、松平千秋訳) ヨーロッパでも、スイスの湖上住居者の部落の発見で証明されたように、ヒツジははじめのうちは食肉用に飼育されていた。 エジプトでは、同じような食肉種のヒツジが飼われていた。 |