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現代のイギリスでも、ヒツジは羊毛よりも食肉用に飼育されている。 いずれにしても.羊毛はオーストラリア、二畠ージーランドおよび南アフリカから供給されている。 イギリス産のマトンは、海外の冷凍マトンよりも評価が高い。 もちろん冷凍肉は、衛生上または栄浅上の見地から非常にけっこうなものである。 この点では、ヨーロッパ大陸での一般的な印象とは反対に、イギリス人は食通である。 何世紀ものあいだ、ヒツジはイギリスにおいて公的な名誉ある地位を占めてきた。 たしかにピカデリー広場にはヒツジの記念碑はないが、上院の大法官は赤布で覆われた羊毛詰めのクッションの上にすわる。 これは有名な上院議長の席である。 女王エリザペス一世の統治期間[在位一五五八ー:ハ 〇三年]には、国家の富の象徴としてこのことが決められており、ヒツジがそのほかの象徴と見なされることはなかった。 たとえば、潔白と従順を示すキリスト教会の神竿像などのように。 |