![]() |
ゲシュタポ[ナチスの秘密国家警察]に捕らえられたのは、比較的わずかな羽の使者たちだけであった。 その通信文は、常にちがう暗号で書かれていたので、たとえ鳩が捕らえられても、ほんの少しの秘密が解読されたにすぎなかった。 日本の新聞社は、かつて有名なロイター通信社がしていたように、いまでも白社の伝書鳩隊をもっている。 新聞記者にとっては、長い通信文をラジオや電話で送稿するよりも鳩に逗ばせたほうが安上がりであり、またばあいによっては早いこともある。 こんにち、日本のどの新聞社も、伝書鳩を送稿用に使っていない。 鳩の愛好家たちが自分の鳩に求めるのは、確実な方位感と、あるコースを通じて高速度で飛ぷことである。 |