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一九世紀末における顕微鏡写真の発明のおかげで、膨大な量の印刷物が郵便切手ほどの大きさのフィルムに複写できるようになった。 これらの数枚が羽の軸のなかに入れられ、そこをワックスで封じてから、鳩の尾の羽の一本にぬいつけられた。 無線通信の発達によって、伝書鳩の飼育と訓練の方法を向上させることは、多少すたれてきた。 しかし、第二次世界大戦のさなかにも、鳩による音信の伝達が唯巳のコミュニケーションの手段であるという事態がもちあがった。 イギリスの飛行機が、約二万羽の伝書鳩を占領下の仏上空に運び、かごに入れられた鳩がパラシュートで投下された。 仏の抵抗運動の同志たちに回収されたこれらの鳩は、ドイッ軍の頭上を飛んでイギリスに舞いもどり、何万通という通信をイギリス情報機関にもたらした。 |