![]() |
わが国最古の医学書『医心方』(AD九八四年成立)にもその名が見出され、江戸時代の「和漢三才図会』や『飲膳摘要』などの書籍にも梅干しの作リ方や効用が数多く取りあげられています。 明治時代になると各地で疫病が流行しますが、その治療と予防に梅干しが大いに偉力を発揮し、家庭の常備食としてなくてはならないものになります。 相次ぐ戦争の際にも梅干しは軍糧として重用され、日露戦争の頃には「日の丸弁当」が登場し、愛国心と質実剛健 の象徴とされました。 そして昭和も戦後になると、欧米化志向の風潮のなかでしばらく軽視される傾向にありましたが、近年慢性病問題が大きな関心事になるにつれ、伝統的なこの梅干しが、健康食品として再び脚光を浴びつつあります。 |