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葉の色も金性とは思えないほど、悪かったが、色艶も回復してきている。 懸崖樹は、垂れさがっているために、上部の枝と下部ではかなり樹勢の違いがでてくる。 上部の樹勢の強い部分は、1年に数回、芽つみを行っているが、下部の枝は伸ばし気味にし芽つみの回数を減らし、平均化をはかった。 山採りされてから10年は、経ているだろう。 片野氏のもとへ来る以前に、一度、整姿が行われている。 さ一て、この懸崖をどうするか。 以前、整姿された正面は、立ちあがりから、グッとカーブを描いている。 神・舎利の美しさを重視して、正面と決めたようだ。 しかし、この正面では根元からの水吸い、つまり生きている部分が見えない。 いくら全体が美しく見えても、水吸いと舎利か一緒に映って見えなけれぱ、真柏の苦難の果てに盆栽にたどりついた、生きざまを表現できないと思う。 |